

手書きの文化
古来は(そこまで古くない笑)もちろん印刷物も手書きで印刷していました。本当です。すべて手書きです。
僕自身が印刷会社に勤めていた時、入社時に写植機というのがありました。もう使っていませんでしたが、手書きがデジタルに移行する期間に大活躍した機械です。
文字盤を1文字ずつ「ガチャコン」とハンコのように押す機械です。これがワープロになりパソコンになりキーボードでタイピングした文字が画面上に表示されて、その画面がそのまま印刷物になるイメージを作るようになります。
確かに便利になりましたが、味がある印刷物が劇的に減っていきました。パソコンで作成されるデザインは全て同じように見えるからです。
手書きの文字は十人十色。文字だけで表現する方法も十人十色。小学校の時に画用紙に書いた絵はみんな違いましたよね?同じ構図なのに。それが印刷物の味だったのですが、それよりも速さやコストパフォーマンスが求められる時代によって減少していきました。
年賀状の衰退
衰退という表現は適当ではないかもしれませんが、そもそも年賀状のやりとりの文化が減少しています。
そして年賀状はほとんどがデジタルになりました。僕が小学生、いや中学生の時までは手書きでした。芋板とかも作りましたね。絵が上手な友達からもらう年賀状は楽しみでした。
これを販促物に置き換えてみると、アナログの時はそれぞれ個性があるチラシやパンフレットがあったと思います。
昔、大きなショッピングモールとかがなく、商店街などで買い物をしていた時代は商店街の個店それぞれが週末には折込チラシを作成していました。
バーゲンなども婦人服店や個人店がそれぞれチラシを折込していたのです。今とは違う戦いですね。
そういった意味でも年賀状もそれぞれの個性があったと思いますが、今や印刷されたデザインに名入れする、宛名も手書きではない、全てがデジタルになっています。個人的にはデザインの仕事として少し寂しい気もしますね。

ただ一つ視点を変えると、全てがデジタルの中にアナログで効率を上げる方法があるような気もします。
デジタルの中で光るアナログの良さ
今ではほとんど見ないのですが、旅行パックのチラシなどを全て手書きで印刷されているチラシが僕の地域で新聞折込されていました。
なんか温かいですよね。思わず見てしまいます。
僕自身、前から販促の持論があるのですが、今は「デジタルとアナログの融合」が最強の販促手法だと思っています。
SNSと紙、という概念も大切ですが、紙だけで考えると「手書き」を、いや手書きだけではない「温かみ」を加えることだと思います。
一文の一箇所を手書き文字に変えてみる、要はちょっとダサく見える程度がちょうど人肌に触れるというヒントです。
顔写真を入れるとかでもいいんです。温かみの表現は千差万別。キレイというより温かい、これが販促物には必要だと思います。
手書きをする人の方が幸福度が高い
ちょっと視点を変えたお話しをします。
ある研究結果によって2つのことが証明されています。
1つは「手書きをする方が記憶に残る」というデータです。
僕も学生時代、英単語など何度も何度も書いて覚えました。ノートが1つの単語で埋まってしまうことも多々ありました。それで覚えた記憶があります。
もう1つのデータは「手書きをする人の方が幸福度が高い」という研究結果です。
最近はスマホなどでスケジュール管理をしたり、メモもスマホで行う人もいます。
1つ研究結果の文章を紹介します。
「手書きの手帳や日記を使うと、時間と向き合いやすくなり、自分らしさにつながる行動や未来に向けた一歩が踏み出しやすくなるようです。さらにそのことは、人生の幸福度にも繋がっていることもわかりました。手帳や日記は、目に見えない時間を可視化することができ、過去・現在・未来といった時間の流れを捉えやすくなるツールです(抜粋)」
手書きだと心が整い、自身を見つめなおすことができる頻度が高いことが伺えます。
先ほどのワールドカップで森保監督が試合中に手帳に手書きでメモしていることが話題になりました。きっと手書きのメモが現実となり、幸福度が上がったのではないでしょうか?
手書きにこだわってみるツールが1つくらいあってもいいかもしれませんね♪
舞ventでは無料相談を随時承っております。お気軽にご相談ください→無料相談はこちら
僕自身のプライベートな日々をブログ更新しています。どんな人物か気になる方は(笑)読んでみてください→印刷デザイン事務所「舞vent」の日常