ブログ 印刷について

なぜ大量印刷がお得なのか?

こんにちは。紙のデザインが大好き、印刷デザインプロ、舞ventの中道です。

相談者Kさん
印刷物を注文する際に「枚数が多ければ多いほど単価が下がる」という言葉を聞いたことがあるけど、本当なの?
舞vent 中道
確かによく聞きますね。一概に全てがそういうわけではありませんが、通常印刷枚数が多いほど単価が下がるのはしっかりとした理由がありますよ。詳しく話してみましょう。

印刷業界特有の仕組み

印刷枚数が多くなると単価が下がる、一見すると不思議に思えることですが、実はこの現象には合理的な理由が存在します。

ちょっとチャートでまとめてみますね。

 

・効率の向上と生産性の増加

大量の印刷物を製造する場合、最初に印刷機を設定し、用紙をセットする手間がかかります。

しかし、一度設定を行えば、同じデザインや内容を連続して印刷することができます。これによって、印刷機の効率を最大限に引き出すことができるのです。

つまり、枚数が多いほど、一枚当たりの設定手間が分散されるために、一枚あたりの印刷コストが低くなるのです。

 

たとえば、100枚のチラシを印刷する場合を考えてみましょう。

最初に印刷機をセットアップする手間は一定ですが、その後の実際の印刷作業は同じ作業を繰り返すだけです。

つまり、100枚のうちの1枚あたりで設定手間を分けることができるため、設定のコストが複数枚で分散されてしまうのです。

すごく大きく言えば、1枚印刷するのと100枚印刷することは手間はほぼ一緒とも言えるので、1枚印刷の金額と100枚印刷の金額はほぼ同等というわけです。

※家庭用プリンターや、レーザープリンターではなく、あくまで印刷機械の前提です。

 

・原材料の効率的な利用

印刷にはインキや用紙などの原材料が必要です。

大量に印刷する際には、これらの原材料を効率的に使用することができます。

たとえば、インキを一度にたくさん使うことで、インキ交換の回数が減少し、時間と手間が節約されます。同様に、大量購入によって用紙のコストも削減できます。これにより、一枚あたりの原材料コストが低くなり、単価が下がるのです。

 

・固定費の分散

印刷業者は印刷機や設備を運営するための固定費がかかります。

しかし、一度印刷機を導入すると、そのコストを大量印刷に分散できます。

つまり、印刷機のコストを多くの印刷仕事で分け合うことで、一枚当たりの固定費が低くなるのです。

これにより、枚数が多いほど、固定費の影響が少なくなり、単価が下がることにつながります。

 

・印刷プロセスの合理化

大量印刷の場合、印刷プロセスを合理化したり、自動化したりすることも可能です。

たとえば、同じデザインを連続して印刷する際には、作業の手間や時間を節約するための工夫が行われます。

これにより、一枚当たりの労働コストが削減される可能性があります。効率的なプロセスが単価の低下につながるのです。

まとめ

大量印刷が単価を下げる理由は、効率の向上、原材料の効率的な利用、固定費の分散、印刷プロセスの合理化など、複数の要因によるものです。

大量印刷には初期の設定や準備がかかるものの、それを一度行えばその後の印刷作業がスムーズに進むため、一枚当たりのコストが削減されます。

印刷物を注文する際には、枚数を考慮してコスト削減を図ることができる利点を活かしてみましょう。

 

と、これは僕ら印刷する側の視点です。

お客様にとっては無駄に印刷量を増やす必要はないのです(笑)

 

ただし…

よく提案することですが、名刺を100枚と200枚どっちにしようと悩まれることがあります。

チラシを1000枚か2000枚と悩むこともあります。

上記の例でいうと、初期手間は同じですので、いざ印刷が進むと多い方が単価が下がります。

 

よって、

名刺100枚注文したとします。短期間で消費してまた100枚追加発注したとしましょう。

100枚が仮に5000円だとしたら、100+100=5000+5000、つまり200枚で10000円となります。

これが最初に200枚注文したとしましょう。

あくまで概算ですが、一気に200枚印刷すれば発注は1回、単価は下がる、7000円〜8000円という金額が妥当でしょう。

他の印刷物にも言えます。

単価が下がるといって無駄に印刷する必要はありませんが(笑)特に名刺など内容が当分変更しないような印刷物は使用頻度も考えて発注することが望ましいですね。

デザインも重要ですが、印刷数量は金額に大きく反映するのでしっかり考えましょう。

 

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中道一帆

中道一帆

舞vent 代表 校正のレスポンスの素早い対応を生かした、印刷デザイン全般を編集。納期を必ず守ることで信用を高め、また印刷業界20年以上の経験から忖度ない印刷の現実を解説しています。

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