こんにちは。紙のデザインが大好き、印刷デザインプロ、舞ventの中道です。
印刷会社とデザイン会社の定義
印刷会社とデザイン会社(企画会社とも表現されます)との違いは何でしょうか?
僕なりの個人的な解釈であり、かつ皆さんにわかりやすく表現するために、少し線引きを緩く表現しますのでお許しください。
まず印刷会社。これは印刷工場を併設または印刷工場を別の場所に自社で運営している会社のことを指します。
一昔前まではいわゆる「町印刷」といった地元に密着した印刷会社が主流でした。インターネット普及前と線引きしてもいいかもしれません。印刷物を作成する、イコール印刷会社に依頼する、という当たり前の流れの時代ですね。
しかし時は平成になり、一家に一台パソコン時代、ということは会社にも個々に使えるパソコンが普及し、アナログからデジタルの移行が進みました。と同時にインターネットの普及も進みました。
さらにネット印刷も台頭して、自社生産というスタイルが印刷会社に限らず、いろんな商売でアウトソーシング(外注)を利用したグローバルな社会になってきました。
つまり印刷でいえば自社に工場を併設しなくても印刷物がお客様の手元に届く時代がやってきたわけです。
ここでデザイン会社の定義を言いましょう。
先ほどの表現でいえば印刷工場を併設しない印刷会社、と表現しましょう。つまり印刷物をお客様に届ける前段階のデザインの打ち合わせをメインとした会社となります。
校正の確認方法も変わりました。昔はプリントした用紙を持参し、担当者分もプリントして打ち合わせ時には自分と担当者がそれぞれに修正や変更事項を赤で書き込み、そして自社に戻り赤に従って修正、そして再度修正したものを再打ち合わせする、という流れです。
しかし校正確認や打ち合わせ方法がメールや今ならオンラインなどに変更したため、デザインだけで打ち合わせが終了することが可能となり、デザイン会社が印刷をアウトソーシングしてお客様の手元に納品することができる時代になり、印刷工場を併設しないが、同じ印刷物を納品できるデザイン会社の存在も価値あるものとなりました。
印刷会社のメリット、デメリット
では上記のことを踏まえて選択の参考になるメリットとデメリットを簡単に説明します。
印刷会社、つまり印刷工場を併設および自社運営していえる会社のメリットは、まず納期ですね。
当然自社で印刷するので工期調整が可能です。密に打ち合わせできると言い換えてもいいでしょう。また印刷機械が印刷始める色調整など近くで確認できるので仕上がりが良い可能性が高いです。
僕も独立する前はいわゆる印刷工場が併設している会社に勤めていました。ちょっと色出しが難しい印刷でもデザイン担当者の僕が工場のオペレーターと話をしながら色確認して「これなら良いですね、お願いします」といった細かい調整ができた記憶があります。
そしてコスト計算も調整できますね。内製化しているので外注費を抑えることもできます。つまりいろんな調整が可能だということですね。調整が可能だということはお客様のメリットが大きくなると考えてもいいと思います。
ただデメリットはコスト計算はできると言いましたが、自社だから安価という設定が簡単ではないということです。言い換えれば自社のレベルより高い技術の持つ会社には負けてしまうこともあります。急激に自社のレベルを上げることはできませんからね。
あと社員を遊ばせることができませんので、常に稼働率が気になります。これはお客様には関係ないことですが、単純に経営が不安定な会社には依頼しづらいですからね。
技術と機械が良い腕と良い施設があれば自社生産のメリットを最大限活かしてお客様に最大パフォーマンスができるでしょう♪
デザイン会社のメリット、デメリット
続いてデザイン会社、つまり印刷工場を併設していない会社のメリットです。
僕はこちらの部類になります。全般的に言えることですが、デザイン会社はデザインで利益を出すので、デザインだけで言えば印刷会社よりデザイン力があると言えます。
僕自身がデザイン力が高いとは言い切れませんが(笑)印刷会社は印刷工程で利益を生み出すことを考えることが多いので、デザイン力が弱い、また老舗が多いのも印刷会社の特徴です。これも僕自身の統計的な感覚になりますが、田舎ほど高齢化が著しく、少し時代にあっていないデザインになることもあります。
その点デザイン会社は印刷の工程を知らずとも、デザインの詳細を突き詰めていきますので、デザイン力は上がることが多いです。
今時では印刷しないデザインデータ納品というのもあります。webやSNSに掲載するだけのデータが欲しい、という依頼ですね。当然デザインが完成物ですので、デザイン会社の方が良きものができる確率があると言えますね。
デメリットは紙の知識に乏しいことでしょうか。印刷物はデザインの他にも用紙をいろんな種類に変更して販促物として価値を上げる手法があります。
手前味噌ですが、僕は印刷会社の経験があるデザイン会社というスタンス。つまり用紙や印刷のシステムを理解したデザイン力があるという最強のハイブリッドな会社ですね(笑)
まぁそれはさておき、印刷物という物として納品する場合はデザイン会社の方々は知識不足の方が多いように見受けられます。
結論として
では結局どっちに依頼するのがベターなのか?
上記のことと、僕の私見ですが、今のままで満足している販促物、固定デザインと言い換えても良い名刺や、帳票類、封筒なども含めて変化がない印刷物は印刷会社の方が良いと思います。
また反対に今までの印刷物に何かしっくりこない、とか新たに変化が欲しい、などを考える場合はデザイン会社の方に部があると思います。提案力は圧倒的ですからね。部数が少ない印刷物(パンフレットとかフライヤー)などデザイン推しの印刷物の場合はデザイン会社が良いかもしれません。
と言ってきましたが、最終的には「人」になるかもしれません。全く上記のことが無駄になるような結論ですが(笑)僕がよく他社でお聞きするのは「デザインはあの会社上手なんだけど担当者がコロコロ変わるんだよね」とか「納期は守ってくれるんだけど、お願いしたことだけしかやってくれなくて提案がないんだよね」など聞きます。
もちろん僕も耳が痛い声ですが、お客様の求めていることは日々大きく高くなっていくものです。会社の方針もありますが、担当者が変わることが多いということは、その会社に問題があるかもしれませんし、提案がないということはドライで無駄な時間を極力省いた経営なのかもしれません。
僕自身は良いのか悪いのか、基本お客さまは神様です。とはいえ無理難題はお応えしかねます。そもそも無理難題を押し付ける人はお客様ではないですからね(笑)
もし自分が商売している近くに印刷会社とデザイン会社があれば、ご参考にしてください。結局「人」だと締めてますけど…(笑)
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