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印刷ミスの責任について

こんにちは。紙のデザインが大好き、印刷デザインプロの中道です。

相談者Kさん
印刷って文字一つでも間違えると大変。でも印刷のミスって発注側か受注側どちらの責任になるのかなぁ?
舞vent 中道
印刷物は数字1つ間違えるだけでも大変な迷惑をかけることがあります。いくつかの印刷ミスについて話してみましょう。

印刷によるトラブル

印刷の仕事については様々なトラブルがあります。最近私自身も久しぶりに印刷デザインの内容を間違え、刷り直しをいう経験をしました(笑)

今回は印刷機の失敗ではなく、印刷デザインの時点での失敗について記載したいと思います。

印刷は自分が発注側となって自分でデザインすることもありますが、大半は発注側(お客様)からの依頼を受注側(制作会社)が仕事として受け取る流れとなります。

印刷ミスと簡単に言いますが、いろんなパターンがあります。あまりパターンがあることは嬉しいことではないですが…

こんなパターンの時にどういって解決するか?またその時に責任の所在は?ということを書いていきます。もし自分が失敗した時、同じようなトラブルになった時に参考にしてください。

よくある印刷ミスの内容

嬉しくないサブタイトルですが(笑)印刷ミスのあるあるを書いてみます。

大前提として言っておきますが、ミスをしようと思ってしているわけではございません。あくまで真剣な仕事の中でも発生してしまうミスについて、ということです。

・誤植

圧倒的に多いのが誤植です。つまり文字の間違えとなります。僕も未だに1〜2年に1回は必ずあります。残念ですが…

通常印刷物を作成する場合は、お客さまにデザインを見てもらう前に「文字校正」という段階を踏みます。社内チェックといってもいいでしょう。お客様に届く前に自社内で間違えがないように対策することです。

例えば名刺を依頼されたとします。お客様の要望に沿ってデザインを作成します。そしてお客様に一度確認してもらいます。その時にデザインした内容の名前や住所、電話番号など記載事項を確認してもらいます。この段階ではまだ印刷はされてませんので、間違え、もしくは変更内容などがあれば意向に沿って修正します。本来ならこの時点でお客様からの変更をお聞きするのは良いのですが、初期段階での間違えも良くありません。それくらいの気持ちで文字校正は大事に行うべき作業です。

そして全ての打ち合わせを終え、お客様に内容の了承を得てから印刷をします。ここから再度「二校正」を行います(会社によって方式や呼び名は違います。二校正を行わない会社もあります)

いわゆる最終チェックです。納品という形式にまつわる仕事なら検品といってもいいでしょう。

場合によっては三校正や四校正など社内チェックを重なる会社もあります。

と…ここまでしても文字の間違えは起こってしまうものなのです(言い切ってしまうのもおかしいのですが)

それほど怖い印刷間違いの一つです。

一例として、とある新規出店の特集がテレビで放映されていました。OPENチラシを当日新聞折込する手筈で進行しておりましたが、なんとOPEN前日に目玉商品の大型テレビ(10台限定)のチラシ掲載の金額が間違っていたことに気づいたのです。

その時の担当者、会社の判断は掲載金額で売ろう、となりました。380,000円のテレビが38,000円と掲載されていたのです。大損ですね。たった0一つ違うだけです。

・枚数、紙質、サイズ

次に多い印刷ミスはデザインとは直接関係ないともいえますが、納品後にトラブルになる場合です。

単に打ち合わせミスともいえますが、文字校正と同じく、何度も確認すべき事項です。なぜかといえば、打ち合わせの中で内容が変わっていくからです。

文字の間違えもお客様に迷惑をかけますが、完成品が自分と違う商品として納品された時を気持ちを考えたら…おわかりですね。

重要確認事項です。

・納品日、場所、梱包

お客様の要望は多岐多様です。ただ指定されたことはできる限り遂行することになります。

お客様の事情により「あまり早く届けてほしくない」「本社じゃなく支店が望ましい」「梱包は50部ずつ」など内部事情や細かい指定も聞くことにより信頼になります。細かい要望を聞いていただけると嬉しいですよね。

どうしてもデザインのやりとりが完了してしまうと、すでに終わったかのように思いがちですが、その後、もっと言えばアフターまで含めて1つの仕事ですので、発注側としても手元に届くまでは気を抜かずに(受注側はもちろんです)お互いに作り上げた印刷物という概念で考えると良いと思います。

印刷ミスが起きた場合の責任

今までたくさん印刷によるトラブルにといて記載しましたが、人為的なミスはどうしても起こってしまいます。起こった後の対応も重要です。

印刷ミスが起きる要因は誤植やその他やりとりにおいて発生すると言いましたが、その際に「どっちのミスだったか?」ということで金額補償や責任所在の話に発展することがあります。

当然誤植というミスはデザイン側の編集ミスというとでもありますが、そもそも原稿が間違っていた、ということもあります。

昔は手書きの原稿だった場合は原稿の書きミスというのもありました。現在ではメールやテキストデータで文字原稿をいただくことがほとんどですが、この原稿自体が間違っていることもあります。

気づける間違いならデザイン側で修正します。「〜でしたた」とか明らかに「た」が多いとか、打ちミスとかもわかりますが、専門用語などは僕自身の対応としてはまずネットなどで調べて、疑問点はお客様に確認する、という流れをとりますが、実は印刷会社によってはそういう好意を持って対応してくれる会社ばかりではありません。本当に原稿通りに入力するという(明らかに間違えていたとしても)作業をする会社もあります。

そしていざミスした印刷物が上がってくるとします。だいたい気付くのは第三者です(笑)その場合にまず原稿が間違っていたのか?など初期の責任の所在を確認しますが、まずは刷り直しをするか?訂正シールで対応するか?または気づかない程度の誤字ならそのまま納品という場合もあります。

その後、費用についてです。当然刷り直しや訂正シールは別途料金が発生することです。10対0で明らかにどちらかに非があればわかりやすいのですが、打ち合わせの過程で指示した、など言った言わないという場合にはどちらが費用負担するか?などトラブルに発展する場合があります。ここを間違えると仲違いをして取引停止などの結果になることも多々あります。

僕の場合は基本、間違った商品を納品してしまったとします。その過程がどうあれ責任は100%僕の方に非があるという前提でまず話を進めます。責任の所在がハッキリするとその後の対応も素早くできるという経験があり、知っているからです。

昔サラリーマン時代は、できるだけ自分の非を隠そうとして関係が悪化した過去があります。人間ならわからないでもない感情ですが、僕は良いか悪いかは別として、現実間違った商品が納品された場合は仕事が成立していないという感覚で対応します。

皆さんももしこのような印刷ミスが絡むような事案があれば、お互いに非をなすりつけ合うことをする前に、自問自答して対応を心がけましょう。だいたいトラブルは素直に非を認めあうことから改善されますからね。

もしどうしても納得いかないトラブルが起きた場合は話を聞くくらいはできますので(笑)ご相談くださいませ。

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中道一帆

中道一帆

舞vent 代表 校正のレスポンスの素早い対応を生かした、印刷デザイン全般を編集。納期を必ず守ることで信用を高め、また印刷業界20年以上の経験から忖度ない印刷の現実を解説しています。

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